きゅうりの栽培で鬼塚さんがもっとも心掛けていること。それは、ビニールハウスの中の環境作りです。きゅうりは適正な温度や湿度、水分が保てなくなるとストレスがかかってしまい、果実が曲がったり、生育が不十分になったりしてしまいます。「きゅうりは90%以上が水分ですから、乾燥には特に弱いんです。だから、水はいつでもたっぷりあげないといけません」
最近は病気に強い品種が出てきて、以前に比べると育てやすくなった部分もあるのだそう。「それでも、基本となる水やり、果実に栄養分が行き渡るようにするための剪定作業、収穫後の次の栽培に備えた土づくりなど、おいしいきゅうりを作るために欠かせない作業はたくさんあります。きゅうりの栽培は子育てとおんなじ。どこに出しても恥ずかしくない子を育てるっていうね」。そう話す鬼塚さんの日焼けした顔からは、きゅうりづくりに励む真摯な想いが伝わってきます。